【第4回】Teams × Copilot——会議の生産性を3倍にする使い方
公開日:2026年04月18日

代表取締役
貝出康

情報収集完了。記事を執筆します。
# 【第4回】Teams × Copilot——会議の生産性を3倍にする使い方
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あなたの会議、何時間無駄にしてますか?
ちょっと聞いてほしいんですけど、先週の会議、どれだけの時間をかけましたか。
会議本番の時間だけじゃないですよ。その前後も含めて。事前にアジェンダをまとめて、当日は必死にメモをとって、終わったら議事録を清書して関係者に送って——気づいたら会議1時間のために3〜4時間使ってた、なんて経験、あるんじゃないですか。
ぼくが地方の中小企業さんと話すとき、「会議の負担が重い」という声はほぼ必ず出てきます。特に、議事録担当を押しつけられた若手スタッフの疲弊感は相当なもので、「会議中は話を聞くどころかメモしかできない」という方も多い。これ、会議の本来の目的——意思決定とか情報共有とか——からすごく遠いところにいるんですよね。
実はここに、Microsoft Teams Copilotが劇的な変化をもたらします。議事録が自動で生成される。アクションアイテムが抽出される。さらに会議準備まで手伝ってくれる。Microsoftの調査では、Copilotを活用しているユーザーの70%が「生産性が向上した」と回答しています。
「でも、うちみたいな中小企業に使いこなせるの?」という声も聞こえてきそうです。大丈夫です。むしろ、大企業より導入効果が出やすいのが中小企業なんです。その理由も含めて、今回はTeams × Copilotの会議活用を徹底的に解説します。
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そもそも「Teams Copilot」って何をしてくれるの?
まず機能の話からしますね。
Teams CopilotはMicrosoft 365 Copilotの一部で、Teams会議の中に直接組み込まれたAIアシスタントです。ざっくり言うと「会議に参加してリアルタイムで聞いて、あとで整理してくれるAI」という感じです。
具体的にできることを並べると:
会議中にできること:
– リアルタイムの文字起こし(トランスクリプト)
– 「今まで何が議論された?」という質問に答えてくれる
– 「○○さんの意見をまとめて」という要約依頼
– 「今の議論で合意されたことは何?」という確認
会議後にできること:
– 議事録の自動生成(構造化されたMarkdown形式)
– アクションアイテムの抽出(誰が・何を・いつまでに)
– 決定事項の一覧化
– 会議の要約をTeamsチャンネルやメールに共有
会議前にできること:
– 過去の会議録を参照した「前回からの続き」整理
– アジェンダに基づいた資料や過去議事録の要約
特に注目してほしいのが「録音なしでもCopilotが使える」機能です。2024年以降のアップデートで、会議の録画・録音をしていなくても、リアルタイムのトランスクリプト(文字起こし)があればCopilotが機能するようになりました。「録音すると参加者が緊張する」という心理的ハードルが下がったのは大きい。
もう一つ強調したいのが、Microsoft PlannerやTo Doとの連携です。Copilotが抽出したアクションアイテムを、そのままPlannerのタスクとして登録できます。「議事録に書いたのに誰もやってなかった」という問題が、仕組みとして解決されるわけです。これは地味に革命的じゃないですか。
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なぜ今、会議のCopilot活用が重要なのか
「いや、議事録くらい自分でできるし」と思う方もいるかもしれません。でも、ちょっと考えてみてほしいんです。
あなたの会社の月間会議時間、合計で何時間ありますか。
総務省の調査では、日本企業の会議関連業務(準備・参加・後処理を含む)は、ビジネスパーソン1人あたり週平均5〜8時間かかると言われています。10人規模の会社なら週50〜80時間。年間で換算すると2500〜4000時間。人件費に換算したら……怖くなってきましたよね。
株式会社学情の事例が示唆的です。Microsoft 365 Copilotを本格導入してから約2か月で、合計5,004時間の業務時間削減、金額換算で1,305万円のコスト削減を実現しました。全社員のアクティブユーザー率は100%を達成しています。
「学情は大企業でしょ」という声が聞こえますが、中小企業こそ効果が大きい側面があります。大企業には専任の秘書や事務スタッフがいますが、中小企業では社長や管理職が議事録を自分で書いていたりする。その時間が丸ごと浮くわけです。
もう一つの重要な背景が「人材不足」です。地方の中小企業では、優秀なスタッフほど複数の役割を兼務しています。会議の議事録係を誰かに頼むのが心苦しい、でも自分でやる余裕もない——そういう状況が多い。Copilotはここを解決する道具として最適です。
さらに言うと、会議の質の問題もあります。議事録を取ることに集中しすぎると、会議本来の「考えること」「議論すること」に集中できない。Copilotに議事録を任せると、参加者全員が「考える会議」に専念できます。これが会議品質の向上につながり、「生産性3倍」という言葉の本質だとぼくは思っています。
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具体的にどう使うか——3つのシーン別プロンプト
さあ、ここからが本題です。具体的な使い方をシーン別に紹介します。プロンプト(指示文)もそのまま使えるものを用意しました。
シーン1:会議中のリアルタイム活用
会議が始まったら、Teams画面の右上にある「Copilot」ボタンをクリックします。サイドパネルが開き、そこにチャット形式で質問できる画面が出てきます。
プロンプト例①「今まで何が決まった?」
“`
今までの会議で決まったことを箇条書きで教えてください。
担当者や期限も含めて整理してください。
“`
これ、会議の途中で遅れてきた参加者がいたときに超便利です。「すみません、10分遅れました、今どんな話をしてますか」という確認が自分でできる。場の流れを止めずに追いつけるんです。
プロンプト例②「誰がそれを言った?」
“`
○○(議題名)について、各参加者の意見をまとめてください。
誰がどういう立場でどんなことを言ったか、人別に整理してください。
“`
これは意思決定の追跡に使えます。「あのとき誰がそう言ったっけ」という曖昧な記憶を、記録として残せる。特にリモート参加が混在する会議だと、誰が何を言ったか後から混乱しがちなので重宝します。
シーン2:会議後の議事録生成
会議が終わったら、Copilotに議事録生成を依頼します。ここが多くの方が「Copilot凄い」と感動するポイントです。
プロンプト例③「プロ品質の議事録を作る」
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今日の会議の議事録を作成してください。以下のフォーマットで出力してください:
【会議概要】
– 日時:
– 参加者:
– 目的:
【議題別サマリー】
各議題について、議論の経緯・決定事項・未解決事項を記載
【アクションアイテム】
担当者・内容・期限の表形式で出力
【次回会議の準備事項】
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このプロンプトを使うと、そのまま共有できるレベルの議事録が5秒で生成されます。ぼくが実際にこれを中小企業の担当者さんに試してもらったとき、「今まで議事録に30分かかってたのに、確認・修正込みで10分になった」という声をいただきました。
シーン3:会議準備の効率化
意外と知られてないんですが、Copilotは会議前の準備にも使えます。
プロンプト例④「前回会議からの続きを整理」
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先月の○○会議の内容を参照して、今日の会議で確認すべき未完了のアクションアイテムと
継続議題をまとめてください。
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前回の会議から今回までの経緯をCopilotが整理してくれます。「先月これを決めたけど、その後どうなった?」という確認が一瞬でできる。
プロンプト例⑤「会議のアジェンダを改善」
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以下のアジェンダを見て、議論が脱線しやすいポイントや、
あらかじめ確認しておくべき情報を教えてください。
(アジェンダをここに貼り付ける)
“`
アジェンダをCopilotにレビューさせることで、「あ、この議題には前提として○○の確認が必要だ」という準備漏れを防げます。
これら5つのプロンプトをチームで標準化するだけで、会議関連の業務は大幅に減ります。個人の工夫ではなく、チームの仕組みとして定着させることがポイントです。
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よくある誤解・つまずきポイント
ここ、実は一番重要かもしれません。
「Copilot入れたけど使いこなせてない」という声をよく聞きます。多くの場合、以下のいくつかに当てはまります。
誤解①「録音しないと使えない」
これ、よく言われるんですが、2024年以降は録音なしでも使えます。正確に言うと、「トランスクリプト(リアルタイム文字起こし)」さえ有効になっていれば、録画・録音なしでCopilotが機能します。録音への心理的抵抗がある参加者がいる会議でも使えるんです。
設定場所は会議中の「その他のオプション(…)」→「トランスクリプトを開始」です。これを始めるだけでCopilotが会議を理解し始めます。
誤解②「Copilotが出した議事録は完璧」
これは逆の危険です。Copilotの出力は必ず人間がレビューする前提で使ってください。
特に注意が必要なのが:
– 固有名詞の誤認識(「山田さん」を「大田さん」と聞き間違えるケース)
– 数字の微妙なニュアンス(「だいたい3割」を「30%と決定」と書いてしまうケース)
– 議論の文脈を省略しすぎる(経緯が伝わらず結論だけになる)
ぼくが推奨するのは「Copilot出力を下書きとして使い、人間が5分で確認・修正する」というフローです。ゼロから書く30分 vs. 確認する5分。この差が積み重なると、月単位では相当な時間が浮きます。
つまずきポイント①「言語が英語になる」
海外拠点との会議や、英語話者が混在する場合、Copilotの出力が英語になることがあります。これはプロンプトの最後に「回答は日本語で出力してください」と一言加えるだけで解決します。簡単。
つまずきポイント②「ライセンスの確認が複雑」
Teams Copilotを使うには、Microsoft 365のライセンスに加えて「Microsoft 365 Copilot」ライセンス(または「Microsoft 365 Copilot Business」ライセンス)が必要です。管理者が有効化していないと、Copilotボタンが出てこない。「なんか押しても反応しない」という相談はたいていここです。
IT担当者がいない会社では、Microsoftパートナー(SIerや販売店)に確認するのが一番早いです。
つまずきポイント③「チームメンバーが使い方を知らない」
自分だけが使えても意味がない場面があります。議事録担当が毎回違う場合、プロンプトのテンプレートを共有フォルダに置いておくと、誰でも同じ品質で使えます。「Teams CopilotプロンプトBOOK」みたいなファイルを1つ作るだけで、チーム全体の使いこなしが一気に上がります。
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カンマンの現場から見えること
ぼくたちカンマンは、主に地方の中小企業さんのDX支援をしています。Teams Copilotの導入支援も複数経験してきました。その現場で見えてきたことを正直に話します。
効果が出やすい会社の共通点は「会議の頻度が高い会社」です。週3回以上会議がある会社では、Copilot導入の翌月から「議事録担当のストレスが激減した」「会議中にメモじゃなくて議論に集中できるようになった」という声が出ます。
逆に効果が出にくいケースも見てきました。典型的なのは「会議の録画もトランスクリプトも無効にしたまま使おうとする」パターンです。情報セキュリティへの懸念から「何も記録したくない」という会社があるのですが、これだとCopilotの力が半減します。
セキュリティ懸念は理解できます。ただ、Microsoft 365のデータはMicrosoftのサーバーに保存されるのではなく、あくまで会社のテナント内に限定されます。外部に漏れる仕組みではないことを確認してから判断してほしいなと思います。
もう一つ印象的だったのが、「Copilotに仕事を取られる」という不安の声です。特に、今まで議事録を丁寧に作ってきたスタッフさんから出ることが多い。
ぼくがいつも言うのは「浮いた時間でやりたかったことをやってほしい」です。議事録作成の時間が浮いたら、もっと深く考えたい業務課題に使ってほしい。Copilotは人の仕事を奪うのではなく、人が本来やるべき仕事に集中できる環境を作るものだと思っています。
実際に、ある製造業の会社では議事録担当の若手スタッフがCopilot導入後に「浮いた時間で業務改善の提案書を作れるようになった」と話してくれました。その提案が採用されて、さらに業務効率が上がるという好循環が生まれた事例があります。テクノロジーの本当の価値って、こういうところにあるんじゃないかと感じています。
また、Teams Copilotを使い始めると「会議設計そのものを見直したくなる」という副産物もあります。Copilotが議事録を作ってくれることで、「この会議、そもそも必要だったっけ」という問いが生まれる。会議数の削減、会議時間の短縮という方向に自然と向かっていく会社が多いです。
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まずやってみてほしい3つのこと
「よし、やってみよう」となった方へ。最初の一歩を具体的に提案します。
その1:今週の会議でトランスクリプトをONにしてみる
まずこれだけでいい。会議が始まったら「その他のオプション(…)」から「トランスクリプトを開始」を押す。これだけで会議後にCopilotが使えるようになります。
議事録の作成は後でいい。まず「Copilotが会議を理解している状態」を作ることが第一歩です。
慣れてきたら、会議終了後に「今日の会議の要点を箇条書きにまとめてください」とCopilotに依頼してみてください。最初の感動がそこにあります。
その2:プロンプトテンプレートを1枚作って共有する
自分だけが使える状態から、チーム全体で使える状態にするのが次のステップです。
先ほど紹介した5つのプロンプトを、会社の共有フォルダ(TeamsのファイルタブやSharePoint)に置いてください。「会議Copilotプロンプト集.docx」みたいなファイル名で。
これだけで、「Copilotって何を聞けばいいの?」という迷いがなくなります。特に普段デジタルツールに慣れていないスタッフでも、コピペで使えるテンプレートがあれば一気にハードルが下がります。
その3:Copilotの出力を「確認して修正する」5分ルールを設ける
これが継続のコツです。「Copilotが生成したら確認なしで送信してもOK」にしてはいけません。でも「完璧に作り直す」必要もない。「5分確認して、修正が必要な箇所だけ直す」という明確なルールを設けてください。
「Copilotに任せきりにしない」というルールを組織として持つことで、品質を担保しながら時間短縮も実現できます。このバランスが大事です。
最初の2〜3週間は少し面倒に感じるかもしれません。でも慣れてくると「前の会議のやり方には戻れない」という感覚になる。それくらい、会議体験が変わります。
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最後に——「参加者全員が発言できる会議」を目指して
Teams Copilotの最大の価値は「議事録が自動化される」ことではありません。
参加者全員が「発言すること」「考えること」に集中できる会議になる、ということです。誰かがメモに集中している間、その人は会議の主役になれていない。それを変えてくれるのが、今回紹介したCopilotの活用方法です。
Microsoftのデータでは、Copilotユーザーの68%が「仕事の質が向上した」と回答しています。量だけでなく質の向上——これが会議においても実現できるんです。
地方の中小企業だから無理、という話ではありません。むしろ、少人数で多くの役割を担っている中小企業こそ、こうしたツールで時間を生み出すことが経営上の優位性につながります。
まず今週、一つの会議でトランスクリプトをONにしてみてください。それだけでいい。小さな一歩が、半年後には大きな変化になっているはずです。
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次回(第5回)は『Outlook × Copilot——メール対応時間を激減させる方法』について解説します。
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代表取締役
貝出康
1963年徳島市生まれ。 1999年に楽天の三木谷社長の講演を聴き、イン ターネット時代の到来を悟る。翌年、ホームペ ージ制作会社カンマン設立に参画し、これまで のキャリアで培った営業や人事のスキルを活か しての顧客開拓や社内・労務管理を実践。2019 年〜代表取締役。









