【第1回】そもそもMicrosoft 365 Copilotって何?ChatGPTとどう違うの?地方中小企業が知っておくべき全部
公開日:2026年04月15日

代表取締役
貝出康

「ChatGPTって聞いたことある。Copilotも聞いたことある。でも、どう違うの?」
これ、私のまわりでもめちゃくちゃよく聞かれる質問なんです。
AI関連のセミナーや研修を担当していると、特に地方の中小企業の経営者や担当者の方から「結局どれを使えばいいの?」という質問を毎回のようにいただきます。
でも正直に言うと、この混乱、すごくわかるんですよ。ChatGPT、Gemini、Copilot、Claude……AIツールが乱立しすぎていて、何がどう違うのかさっぱりわからない。それが本音じゃないでしょうか。
だから今日は、特にビジネスで使う視点から「Microsoft 365 Copilotとは何か」「ChatGPTやGeminiとどう違うのか」を、できるだけシンプルに、でも本質的に解説します。
これを読み終えたら、「Copilotって自分の仕事に使えそうだな」という感覚がつかめるはずです。
- そもそもMicrosoft 365 Copilotとは何か
- セキュリティ面が心配な人へ
- 料金はいくら?中小企業でも使える?
- Copilotでできること一覧——想像より幅広い
- 2026年の最新動向:Copilotは「エージェント」に進化中
- 「自分の会社では使えるか?」よくある誤解を解く
- CopilotとChatGPT、どっちを使うべきか
- 地方中小企業でのCopilot活用——実際の声
- Copilotを使いこなすための「プロンプトの書き方」基本
- 導入の前に確認すること
- Copilot導入のROIを簡単に計算してみる
- まとめ:Copilotは「道具」ではなく「チームメンバー」
- カンマンのMicrosoft 365 Copilot研修・導入支援
そもそもMicrosoft 365 Copilotとは何か
一言で言うと、「毎日使っているOfficeにAIが組み込まれたもの」です。
Word、Excel、PowerPoint、Teams、Outlook。これらのアプリケーション、みなさんの会社でも毎日使っていますよね?
Copilotはこれらのアプリの中に直接AIが入り込んで、一緒に仕事をしてくれる存在です。
- Wordで「この会議メモから報告書を書いて」と言うと、自動でドラフトを生成してくれる
- Excelで「この売上データの傾向を教えて」と言うと、分析結果を日本語で説明してくれる
- Teams会議の後で「今日の議事録を要約して、アクションリストも作って」と頼める
これが、ChatGPTと根本的に違う点なんです。
ChatGPTとの最大の違い:「社内データと繋がっている」
ChatGPTは優秀です。でも、あなたの会社の資料を知らない。
「先月の売上データを分析して」と頼んでも、ChatGPTはあなたのExcelファイルにアクセスできません。いちいちコピペして貼り付ける手間が発生します。
Microsoft 365 Copilotは違います。
あなたのOneDrive、SharePoint、Outlook、Teamsの全データに直接アクセスして、AIが答えてくれる。
「先週の田中さんとのメールのやりとりをまとめて」「去年の提案書をもとに今回の提案書を作って」。これが、特別な操作なしにできてしまう。
毎日使うOfficeのデータが、そのままAIの「文脈」になる。これがCopilotの最大の強みです。
セキュリティ面が心配な人へ
「でも、社内の機密データをAIに渡して大丈夫なの?」
この不安、すごく正当だと思います。
結論から言うと、Microsoft 365 CopilotはあなたのデータをAIの学習に使いません。
Microsoftは公式に、ユーザーが入力したプロンプトや、AIが参照した組織内のデータ(メール、ドキュメントなど)が外部のAIモデルの学習に使われないことを明言しています。
さらに、Copilotはあなたのアクセス権限の範囲内でしか動きません。
「あなたが見られないファイルは、CopilotもあなたのためにはアクセスできないAI」なんです。つまり、社内の権限設定がそのままAIの制限になる。これはChatGPTやGeminiにはない仕組みです。
ChatGPT・Geminiとのセキュリティ比較
| 観点 | Microsoft 365 Copilot | ChatGPT(法人版) | Gemini(個人) |
|---|---|---|---|
| 社内データへのアクセス | ✅ 直接アクセス可能 | ❌ コピペが必要 | ❌ コピペが必要 |
| 学習への使用 | ❌ 使用しない | ❌ 使用しない(法人版) | ⚠️ 設定による |
| アクセス権限の制御 | ✅ M365の権限に従う | ❌ 制御不可 | ❌ 制御不可 |
| Office統合 | ✅ ネイティブ統合 | ⚠️ プラグイン経由 | ⚠️ 限定的 |
料金はいくら?中小企業でも使える?
気になる料金について、正直に話します。
Microsoft 365 Copilotは、既存のMicrosoft 365契約に追加するアドオン形式です。Microsoft 365単体では使えません。
料金の目安(2026年時点)
Microsoft 365 Copilot(通常版)
- 月額$30/ユーザー(約4,500円〜)
- 対象:全規模の組織
- 必要な前提:Microsoft 365 Business Standard以上など
Microsoft 365 Copilot Business(中小企業向け)
- 通常版より30%安価(※PC-Webzine 2025年12月報道)
- 対象:従業員300人以下の組織向けプラン
- 2025年12月1日から提供開始(最新情報はMicrosoft公式サイトをご確認ください)
「高い」と思いますよね。でも、考え方を変えてみてください。
1人あたり月4,500円で、何時間の業務が削減されるか。
株式会社学情の事例では、Copilot導入後3ヶ月で5,004時間の業務時間削減、金額換算で1,305万円のコスト削減を実現しています。アクティブユーザー率は100%。これは、社員全員が毎日使い続けているということです。
月4,500円のコストに対して、1人あたり何時間の業務時間を取り戻せるか。そのROIで判断するのが正しい見方だと思います。
Copilotでできること一覧——想像より幅広い
「どのくらい使えるの?」という疑問に答えます。
Word(文書作成)
- 議事録・ヒアリングメモから報告書を自動生成
- 長い文書を一瞬で要約
- 文章のトーンや文体を変更(「もっとフォーマルに」「箇条書きにして」)
- 既存文書をもとに新しい文書を作成
Excel(データ分析)
- 売上データの傾向を自然言語で説明
- グラフやピボットテーブルを「作って」と言うだけで生成
- 数式の提案・エラーの説明
- 「この月の売上が落ちた理由を教えて」という分析が可能
Teams(会議・コミュニケーション)
- 会議中のリアルタイム要約
- 参加者別のアクションリスト自動生成
- 「会議に遅れた人向けの要約を作って」
- チャット履歴から重要事項を抽出
Outlook(メール)
- 長いメールスレッドを一瞬で要約
- 返信メールのドラフト生成(トーンも調整可)
- 2026年最新機能:受信トレイ・カレンダーを認識して優先事項を提案
PowerPoint(スライド)
- テキストから自動スライド生成
- 2026年新機能:「Edit with Copilot」でフォント・デザインを全スライド一括統一
- プレゼンの練習相手にもなる
2026年の最新動向:Copilotは「エージェント」に進化中
ここが最近一番注目しているポイントです。
2026年に入って、CopilotはAIエージェントとしての機能を大幅に強化しています。
Agent Mode(エージェントモード)
Word・Excel・PowerPointで「Agent Mode」が展開されています。これは、CopilotがAIエージェントとしてドキュメントを自律的に編集する機能です。
「この提案書を、先週のヒアリング内容に合わせて全部更新して」という指示を出せば、Copilotが自動で各セクションを書き直してくれる。
Copilot Cowork(2026年3月発表)
「一緒に働く」という名のとおり、業務の流れを自律的にこなしてくれる新機能。Microsoft はこれを「Wave 3」として大々的に発表しました。AIが単なるアシスタントを超えて、業務の一員になっていくフェーズが来ています。
AnthropicのClaude統合
2026年には、CopilotチャットでAnthropicのClaudeも使えるようになりました。状況に応じて最適なAIモデルを選べる。これは大きな変化です。
「自分の会社では使えるか?」よくある誤解を解く
誤解1:「大企業じゃないと使えない」
違います。むしろ、中小企業こそ使う価値が高いと私は思っています。
大企業には専任のIT部門や広報部門があります。でも中小企業は「社長が何でもやらないといけない」「1人の担当者が複数業務を掛け持ち」というケースが多い。
Copilotはそういう場面で最も力を発揮します。1人で5人分の業務をこなさないといけない人が、AIをチームメンバーとして使える。
しかも2025年12月から始まった「Microsoft 365 Copilot Business」は300人以下の組織向けに通常より30%安価に提供されています。
誤解2:「社員がAIを使いこなせない」
確かに、最初は難しく感じる人が多いです。でも、Copilotの優れた点は「既存のOfficeの中にある」という点です。
新しいツールを覚える必要がない。今まで使っていたWordやExcelの画面に、ちょっとCopilotのボタンが増えるだけです。
三井物産の事例では、全社展開後に月間稼働率96〜100%を維持しています。社員全員が毎月使い続けるAIツール。それがCopilotの使いやすさを証明しています。
誤解3:「セキュリティが不安だから導入できない」
前述のとおり、Copilotは社内データの学習利用をしていません。そしてアクセス権限を既存のM365の設定がそのまま適用される。
むしろ、セキュリティ観点でも「ChatGPTに社内文書をコピペするよりCopilotを使う方が安全」という考え方ができます。
CopilotとChatGPT、どっちを使うべきか
「結局どっちを使えばいいの?」
この質問への私の答えは「目的によって使い分ける」です。
Microsoft 365 Copilotが向いている場面
- 毎日使うOffice作業(Word・Excel・Teams)の効率化
- 社内データ(メール・ドキュメント・会議)を活用した作業
- セキュリティが重要な企業環境での利用
- チームで同じツールを使いたい場合
ChatGPTが向いている場面
- 社内データに関係ない創造的な発想・アイデア出し
- コーディング・プログラミング
- Office以外のツールとの連携
- 個人の趣味・学習での活用
両方を使い分けている人が、今一番生産性が高い。それが正直な感想です。
地方中小企業でのCopilot活用——実際の声
私がセミナーや研修でお会いする地方の中小企業さんからは、こんな声をよく聞きます。
「会議の議事録作成に毎週2時間かかっていたが、Copilotで30分になった」
「提案書の初稿を作るのが30分から5分になった。修正に集中できるようになった」
「Excelが苦手な社員でも、Copilotに聞けばグラフが作れるようになった」
これらは決して大企業の話ではありません。従業員20〜50人規模の会社での実際の声です。
重要なのは、Copilotが「すごいAI」ではなく「毎日の仕事を少しラクにするツール」として機能していること。この感覚が、定着率の高さにつながっていると思います。
Copilotを使いこなすための「プロンプトの書き方」基本
「AIに何を聞けばいいかわからない」という声もよく聞きます。
Copilotに限らず、AIツールで結果の質を左右するのはプロンプト(AIへの指示)の書き方です。難しく考える必要はありませんが、ちょっとしたコツを押さえておくと格段に使いやすくなります。
良いプロンプトの3要素
①役割を与える
「営業担当者として」「経営者の視点で」など、AIに役割を与えると回答の質が上がります。
「この提案書を読んで、改善点を教えて」よりも「経験豊富なコンサルタントとして、この提案書の改善点を3つ教えて」の方が、具体的で使える回答が返ってきます。
②形式を指定する
「箇条書きで」「300文字以内で」「表形式で」など、欲しいアウトプットの形式を先に伝えましょう。
「この会議の要点をまとめて」だけより「この会議の要点を、決定事項・課題・次のアクションの3項目に分けて箇条書きでまとめて」の方が、すぐに使える形で出てきます。
③文脈を渡す
「うちの会社は地方の建設業で、従業員30人です」のように背景情報を渡すと、より的確な回答になります。
Copilotは社内データと繋がっているので、「先週のプロジェクト会議の議事録をもとに」というような指定もできます。これがChatGPTとの決定的な差です。
具体的なプロンプト例
Microsoftは公式に中小企業向けのプロンプト集を公開しています。ここではよく使われるものをいくつか紹介します。
Wordでの活用
- 「この会議メモをもとに、A4一枚の報告書を作成してください。結論・背景・次のアクションの構成で。」
- 「この文章をもっと簡潔に、要点だけにまとめてください。」
Excelでの活用
- 「この売上データで、前月比が最も下がった商品カテゴリはどこですか?理由も考察してください。」
- 「このデータを使って、月次推移が一目でわかる折れ線グラフを作成してください。」
Teams・Outlookでの活用
- 「この会議の録画から、議事録を作成してください。決定事項・宿題・次回会議の議題を含めて。」
- 「このメールスレッドを要約してください。私が対応すべき事項を最後に列挙してください。」
最初は「なんとなく使う」でいいんです。使いながら「こういう聞き方の方が良い答えが来るな」と感覚をつかんでいく。それがCopilotを使いこなすための一番の近道です。
導入の前に確認すること
Copilotを導入する前に確認すべきポイントを整理します。
1. 現在のMicrosoft 365プランを確認
CopilotはMicrosoft 365のアドオンです。対応しているプランは以下です(2026年時点):
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft 365 E3/E5
※Microsoft 365 Business Basicは非対応です(デスクトップ版Officeアプリが含まれないため)。
2. ライセンス数の見極め
「全社員に入れる」か「特定の部門だけ試す」か。最初は少数でパイロット導入して効果を確認してから全社展開する方法もあります。
3. データの整理
Copilotは社内データに基づいて動きます。SharePointやOneDriveのデータが整理されているほど、精度が上がります。導入前に「社内データの棚卸し」をすることが推奨されています。
Copilot導入のROIを簡単に計算してみる
「月4,500円は高い」という感覚、わかります。でも、こんな計算をしてみてください。
あなたの会社で、1人の社員が以下の作業に毎月何時間使っているか考えてみてください。
- 会議の議事録作成:月4時間
- 提案書・報告書の初稿作成:月6時間
- メールの返信・要約:月3時間
- データ集計・グラフ作成:月2時間
合計15時間。時給2,000円で計算すると、月3万円分の作業です。
Copilotでこれが半分になったとします。月1万5,000円分の削減。月4,500円のコストに対して、3倍以上のリターンが出る計算になります。
もちろん、実際の効果は業種・業務内容・個人のITリテラシーによって変わります。でも、前述の学情の事例では3ヶ月で1,305万円のコスト削減を実現しています。小さく始めても、積み上げれば大きな数字になるんです。
「まず5人で3ヶ月試してみる」というパイロット導入でも、投資対効果を検証できます。一気に全社導入するより、小さく試して効果を確認してから広げる方法が、特に中小企業には向いています。
まとめ:Copilotは「道具」ではなく「チームメンバー」
このシリーズ第1回を通じて、Microsoft 365 Copilotについての基本をお伝えしました。
まとめると:
- Copilotは毎日使うOfficeに直接組み込まれたAI
- ChatGPTと最大の違いは「社内データと繋がっている」こと
- セキュリティ面では社内データが学習に使われない設計
- 中小企業向けに30%安価な「Copilot Business」が2025年12月から提供
- 2026年には「エージェント機能」が本格展開
次回(第2回)は「Copilotの始め方——導入から最初の1週間でやること」について、具体的な手順とともに解説します。
「うちの会社でも試してみようかな」と思った方、ぜひ次回も読んでみてください。一緒に「Officeが変わる体験」を見ていきましょう。
カンマンのMicrosoft 365 Copilot研修・導入支援
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人材開発支援助成金を活用した研修も対応していますので、コスト面でのハードルも下げることが可能です。
Microsoft 365 Copilot研修・導入支援にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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代表取締役
貝出康
1963年徳島市生まれ。 1999年に楽天の三木谷社長の講演を聴き、イン ターネット時代の到来を悟る。翌年、ホームペ ージ制作会社カンマン設立に参画し、これまで のキャリアで培った営業や人事のスキルを活か しての顧客開拓や社内・労務管理を実践。2019 年〜代表取締役。









