トップページ / コラム / Copilotに学習させない設定方法|会社の情報を守る手順

Copilotに学習させない設定方法|会社の情報を守る手順

田中健介

ディレクター / 生成AIコンサルタント

田中健介

結論から先に:Copilotは「どのアカウントで使うか」で学習の扱いが変わります。職場・学校アカウントのMicrosoft 365 Copilotは、入力内容を基盤モデルの学習に使いません(設定不要)。一方、個人アカウントの無料Copilotは初期状態だと学習対象です。会社を守る本質は、設定よりも「個人版を勝手に使わせず、職場アカウントに統一すること」にあります。

「Copilotに社内の資料を読ませても大丈夫なのか」

研修や情シスの現場で、必ずと言っていいほど出る質問です。

ChatGPTと同じ感覚で「学習をオフにする設定はどこ?」と探す方が多いのですが、Copilotはそもそも仕組みが違います

結論から言うと、Copilotは使っているアカウントの種類で扱いが変わります。ここを取り違えると、必要のない設定に時間をかけたり、逆に本当のリスクを見逃したりします。

順番に整理します。

Copilotは「使うアカウント」で学習の扱いが変わる

Copilotは、サインインしているアカウントの種類で、入力内容が学習に使われるかどうかが変わります。

個人アカウントの無料Copilotと、職場・学校アカウントのMicrosoft 365 Copilotで、データの扱いが分かれることを表したフラットな対比イラスト

まず、ここを分けて理解することが対策の出発点です。

  • 個人アカウント(無料のCopilot/copilot.com):初期状態では、会話の内容がモデルの学習に使われることがあります。自分でオフにする設定が必要です
  • 職場・学校アカウント(Microsoft 365 Copilot):入力内容は基盤モデルの学習に使われません。設定をしなくても、はじめから対象外です

同じ「Copilot」という名前でも、この2つはデータの扱いが正反対だと考えてください。

だから最初にやるべきは、設定画面を探すことではなく、「自分(や社員)はどちらのアカウントで使っているか」を確認することです。

【設定手順】個人アカウントのCopilotで学習をオフにする

個人アカウントの場合は、「設定」の中の「プライバシー」から学習をオフにできます。

設定はWeb版(copilot.com)の画面で解説します。

  • ① 画面のプロフィールアイコン(またはアカウント)から「設定」を開く
  • ② 左メニューの「プライバシー」を選ぶ
  • ③ 「会話アクティビティによるトレーニング」のトグルをオフにする
  • ④ 必要に応じて「音声会話によるトレーニング」もオフにする

会話用と音声用でトグルが2つに分かれている点に注意してください。「会話アクティビティによるトレーニング」だけをオフにしても、「音声会話によるトレーニング」は別に残ります。

補足を3つ。

設定はアカウント全体に効きます。パソコンで切り替えれば、同じアカウントのスマホアプリにも反映されます(アプリは「アカウント → プライバシー」から同じ設定に進めます)。

設定はいつでも戻せます。一度オフにしたら変えられない、ということはありません。

そして大前提として、この設定は職場・学校アカウントのMicrosoft 365 Copilotには関係ありません。次の章で説明する通り、そちらは元から学習対象外だからです。

職場・学校アカウントのMicrosoft 365 Copilotは設定不要

職場・学校アカウントのMicrosoft 365 Copilotは、設定をしなくても入力内容が基盤モデルの学習に使われません。

Microsoft 365のサービス境界の中でデータが守られ、外部のモデル学習に出ていかないことを表したフラットイラスト

これは「エンタープライズデータ保護」という仕組みによるものです。

マイクロソフトは公式ドキュメントで、職場アカウントのプロンプト・応答・Microsoft Graph経由で参照したデータは基盤モデルの学習に使われないと明記しています(Microsoft 365 Copilot / Copilot Chat)。

項目個人アカウント(無料Copilot)職場・学校アカウント(M365 Copilot)
初期状態で学習に使われる?使われることがある使われない
対策自分でオフ設定が必要設定不要(既定で対象外)
データの保護個人の利用規約の範囲テナント分離・暗号化・GDPR等の企業向け契約

さらに職場アカウントでは、データがMicrosoft 365のサービス境界内で処理され、テナント(組織)ごとに分離されます。社外に学習データとして流れる構造になっていません。

法人での導入をWorkspaceと比べて検討したい場合は法人で生成AIを選ぶならCopilotかWorkspaceの二択が参考になります。プランごとの違いはMicrosoft Copilotの料金を全プラン解説にまとめています。

会社が本当にやるべきは「設定」より「アカウントの統一」

会社にとっての本当のリスクは、学習設定の有無ではありません。社員が個人版のCopilotを、各々勝手に使っていることです。

社員が個人アカウントの無料AIをバラバラに使っている状態と、それを職場アカウントに統一して守る構図を対比したフラットイラスト

研修の現場で見ていると、Copilotは法人での導入相談が多い一方、実際には社員が個人アカウントで無料版を触っている、という会社が少なくありません(田中の見立てです)。

会社が用意したわけでもなく、それぞれが個人アカウントで、それぞれのやり方で使っている。この「個人バラバラ利用」が、3つの問題を生みます。

  • セキュリティ:誰が学習をオフにしていて、誰がしていないかを会社は把握できない。社外秘を入れていても気づけない
  • 属人化:うまい使い方やプロンプトが個人の中に閉じ、会社のノウハウとして残らない
  • 退職時:個人アカウントで使っているため、退職するとやり取りごと持ち出される。会社の情報が個人アカウントに残ったまま、会社は削除も管理もできない

特に見落とされがちなのが、退職時です。

その社員が業務でCopilotに入れてきた情報は、個人アカウントの履歴に残ります。退職した瞬間、会社はそこに一切タッチできなくなる。学習をオフにしていても、この「個人アカウント問題」は解決しません

だからこそ、対策は個人の設定任せにせず、会社の仕組みで揃えるのが正解です。

  • ① 職場アカウントのMicrosoft 365 Copilotに統一する:はじめから学習対象外で、管理者がアカウントを一元管理できる。退職時の持ち出しや野良利用も防げます
  • ② 入力ルールを決める:「顧客情報・契約書・未公表情報は入れない」など、何を入れてよくて何がダメかを明文化する
  • ③ 社員に理解してもらう:ルールは配るだけでは守られません。なぜ危ないか、何が安全かを全員が腹落ちして初めて機能します

情シス向けの管理者設定をより詳しく知りたい場合は【第9回】中小企業のCopilot管理者設定──セキュリティと運用のポイントを、ChatGPTでの同じ設定はChatGPTに学習させない設定方法|会社の情報を守る手順をあわせてご覧ください。

特に抜けやすいのが③です。ルールを作っても、現場が「なぜダメなのか」を理解していなければ、結局グレーな使い方が起きます。

私たちが研修でいちばん時間をかけるのも、ここです。禁止事項を教えるだけでなく、自分で安全か危険かを判断できる状態を目指します。

会社で安全にCopilotを使う体制づくりや、社員が自分で判断できるようになる研修については、お気軽にご相談ください(ページ下部の問い合わせ先から承っています)。

よくある質問(FAQ)

Q. Copilotに学習させない設定は無料でできますか? A. はい。個人アカウントの無料Copilotでも、設定 → プライバシーから「会話アクティビティによるトレーニング」などをオフにできます。料金はかかりません。

Q. 職場アカウントのMicrosoft 365 Copilotでも、学習オフの設定は必要ですか? A. 必要ありません。職場・学校アカウントのMicrosoft 365 Copilotは、既定で入力内容が基盤モデルの学習に使われないためです。

Q. 無料のCopilotと、職場アカウントのCopilotは何が違うのですか? A. 大きな違いはデータの扱いです。無料版(個人アカウント)は初期状態だと学習に使われることがあり、職場アカウントのMicrosoft 365 Copilotは元から学習対象外で、企業向けの保護契約の下で守られます。

Q. 学習をオフにすれば、社内情報を入力しても安全ですか? A. 個人版では完全には安全と言えません。学習に使われなくなっても、入力内容が外部に送信されること自体は変わらないためです。顧客情報や社外秘は入力しないのが原則です。

Q. 会社全体で学習させたくない場合、どうするのが確実ですか? A. 職場アカウントのMicrosoft 365 Copilotに統一するのが確実です。既定で学習対象外なうえ、管理者が一元管理できるため、社員一人ひとりの設定に頼らずに済みます。

Q. スマホアプリでも学習オフの設定はできますか? A. できます。アプリのメニューから設定 → プライバシーへ進み、同じトグルをオフにします。設定はアカウント全体に反映されます。

Q. 職場アカウントなら、社内ルールも要らないのですか? A. 学習に関しては既定で対象外ですが、「何を入力してよいか」のルールはプランに関わらず必要です。安全に使える範囲を会社として決めておきましょう。

生成AIの実務活用を、メルマガで続けて受け取る

  • 中小企業がそのまま真似できる生成AI活用事例
  • 無料セミナーの優先参加・先行案内
  • 実務で効く新機能・最新情報だけを厳選

登録は無料・いつでも解除できます。

AIの無料セミナー優先参加特典や最新情報が受け取れます

【無料】AIメルマガを受け取る

田中健介

ディレクター / 生成AIコンサルタント

田中健介

2023年に株式会社カンマンへ入社。Webエンジニア、Webディレクターを経て、現在は生成AIコンサルタント/ディレクターとして活動。会計事務所・建設・リフォーム・自動車整備など多様な業種で生成AI研修を担当し、セミナー講師としても10回以上、累計300社以上の方にご参加いただきました。