MidJourney V6.1アップデート:AIイラスト生成の新たな進化
代表取締役
貝出康
2024年8月8日
はじめに
AIを活用したイラスト生成ツールとして注目を集めるMidJourneyが、最新バージョンV6.1をリリースしました。このアップデートでは、イラストの品質向上や新機能の追加など、多くの改善が施されています。本記事では、V6.1の主な変更点と使い方、そして実際のイラスト比較を通じて、このアップデート による変化を解説します。
V6.1の主な変更点
MidJourneyの公式Discordサーバーで発表された主な変更点は以下の通りです:
- 一貫性の向上: 腕、足、手、体、植物、動物などの描写がより一貫して美しく生成されるようになりました。
- 手の描写の改善: AIイラストで課題となっていた手の描写精度が向上しました。
- イラストの品質向上: テクスチャー、肌の表現、8ビットピクセルアート、レトロ風のイラストなど、様々なスタイルの品質が向上しています。
- 細部の改善: 目、小さな顔、遠くに写る手など、細かい部分の描写精度が上がりました。
- アップスケール機能の強化: 解像度を上げる機能の精度が向上しました。
- 処理速度の向上: イラスト生成が約25%高速化されました。
- テキスト描画の改善: イラスト内のテキスト描画の精度が向上しました。
- パーソナライゼーション機能の強化: ユーザー独自のスタイルを学習する機能が改善されました。
V6.1の使い方
新しいバージョンを使用するには、以下の方法があります:
- 設定から変更する方法:
- プロンプト入力欄に
/settings
と入力 - 「MJ Model Version」から「V6.1」を選択
- プロンプトで指定する方法:
- プロンプトの最後に
--v 6.1
を追加
- デフォルト設定の変更:
/settings
から「MJ Model Version」を「V6.1」に設定
注意点として、インペインティング、ズーム、リフレーム、バリエーションなどの一部機能は現時点でV6.1に対応していません。これらの機能を使用すると自動的に前のバージョンに切り替わります。
V6.0とV6.1の比較
実際のイラスト生成を通じて、V6.0とV6.1の違いを比較してみました。
1. 細部の描写
プロンプト: “女性がコップを持って外を見ている、リアルなタッチで”
- V6.1: 指の描写が自然で、全体的に写真のようなリアルな仕上がりになりました。
- V6.0: 指の描写に違和感がある部分があり、全体的な仕上がりもV6.1と比べるとやや劣ります。
2. 複数人物の描写
プロンプト: “7人の男性、フルボディ、写真のようにリアル、笑顔でカメラを見ている”
- V6.1: 各人物の顔がはっきりと描かれ、細部まで綺麗に仕上がっています。
- V6.0: 人物の顔や細部がやや崩れる傾向があります。
3. 動物や特殊なスタイル
プロンプト: “ライオン、アフリカ、ピクセルアート”
- V6.1: ピクセルアートのスタイルがより正確に反映され、綺麗な仕上がりになっています。
- V6.0: ピクセルアート感が弱く、プロンプトの意図が十分に反映されていない場合があります。
4. テキストの描画
プロンプト: “Tシャツに「COMMAN」と書かれている、リアルなイラストで”
- V6.1: 指定したテキストが正確に、崩れることなく描画されています。
- V6.0: テキストが崩れたり、読みづらくなったりする傾向があります。
5. パーソナライゼーション機能(–p)
- V6.1: ユーザーの好みをより正確に反映したイラストが生成されます。
- V6.0: パーソナライズ機能の精度がやや劣ります。
まとめ
MidJourney V6.1は、前バージョンと比較して以下の点で改善が見られます:
- 細部の描写精度向上(特に手や顔の表情)
- テキスト描画の正確性向上
- 複雑なシーンや多人数の描写能力向上
- 特殊なスタイル(ピクセルアートなど)の再現性向上
- パーソナライゼーション機能の強化
これらの改善により、よりユーザーの意図に沿った、高品質なイラスト生成が可能になりました。ただし、変化の度合いは場面やプロンプトによって異なり、すべてのケースで劇的な改善が見られるわけではありません。
今後もV6.2のリリースが予定されているなど、MidJourneyの進化は続いています。AIイラスト生成技術の発展に注目しつつ、クリエイティブな作品作りに活用していくことが楽しみですね。
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代表取締役
貝出康
1963年徳島市生まれ。 1999年に楽天の三木谷社長の講演を聴き、イン ターネット時代の到来を悟る。翌年、ホームペ ージ制作会社カンマン設立に参画し、これまで のキャリアで培った営業や人事のスキルを活か しての顧客開拓や社内・労務管理を実践。2019 年〜代表取締役。