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ChatGPT年齢推定が順次導入、18歳未満を自動制限

田中健介

Webディレクター兼エンジニア

田中健介

ChatGPTで「年齢推定(age prediction)」の段階導入が進み、18歳未満と推定されたアカウントには、センシティブ領域への露出を減らすための追加の安全設定が自動適用されます。これは“自己申告の年齢”だけに依存せず、未成年保護を強化するための設計です。

OpenAIは、ChatGPT(コンシューマープラン)で年齢推定をロールアウトし、18歳未満の可能性が高いアカウントに“追加の保護”を適用すると説明しています。EUについては地域要件を踏まえて「今後数週間で展開」としています。

「年齢推定」とは(自己申告ではなく“推定”)

年齢推定は、アカウントが18歳未満である可能性をモデルが推定する仕組みです。OpenAIは、行動シグナルとアカウントレベルのシグナルを組み合わせ、例えば「アカウント継続期間」「利用しがちな時間帯」「利用パターンの推移」「ユーザーが申告した年齢」などを参照すると述べています。

重要なのは、年齢が確信できない場合は“より安全な体験に倒す”方針です。つまり成人でも、状況によっては一時的に未成年扱い(保護設定)に入る可能性があります。

18歳未満と推定されると、何が自動制限されるのか

OpenAIは、18歳未満と推定した場合に追加の保護を自動適用し、センシティブな内容への露出を下げるとしています。具体例として以下を挙げています。

  • 露骨な暴力・ゴア表現
  • 未成年に危険・有害行為を促し得る“バイラルチャレンジ”
  • 性的/恋愛/暴力的ロールプレイ
  • 自傷の描写
  • 極端な美的基準、不健康なダイエット助長、ボディシェイミング

ここで注意すべきは、「特定トピックを全面禁止」というより、未成年保護の観点で“露出の減少”“会話の安全側誘導”“出力の抑制”が起きる点です。運用上は「昨日まで出ていた表現が出なくなる」「相談文面の言い回しで弾かれる」など、体験の揺れとして見えます。

誤判定されたらどうなる?(解除導線の考え方)

報道レベルでは、成人が誤って“ティーン扱い”になり、コンテンツ制限が強まったという事例が出ています。
OpenAIは、誤って未成年体験に入ったユーザーには、設定画面から年齢を確認してフルアクセスに戻すための「速く・簡単な」手段を用意するとし、Persona(本人確認サービス)でのセルフィー確認に言及しています。

企業の現場で重要なのは、ここを「ユーザーの問題」と切り捨てず、問い合わせ対応や社内利用の運用に織り込むことです。特に、業務利用で出力が急に変わった場合、原因がプロンプトだけでなく“アカウント側の体験(保護設定)”にある可能性が増えます。

中小企業が押さえるべき実務ポイント

この機能は「自社で年齢推定を実装しよう」という話ではなく、ChatGPTを使う側として“ブレ”を前提に設計する話です。対策は大きく3つです。

1) 社内ガイドライン:境界領域の言い回しを標準化

制限の例に「自傷」「性的・恋愛ロールプレイ」「危険行為」などが含まれる以上、医療・メンタルヘルス・採用・広告・恋愛系商材など、境界領域は出力が揺れます。

  • NG寄りの表現を避けた“業務用テンプレプロンプト”を用意する
  • 目的(例:啓発記事、相談窓口の案内、規約文の整備)を先に宣言し、刺激的な描写を要求しない
  • 代替方針(例:一般論+注意喚起+公式窓口案内)に落とす

2) 問い合わせ一次対応:原因切り分けをテンプレ化

「急に回答が薄くなった」「出力が拒否される」が来たときの一次回答を決めておくと、現場が混乱しません。

  • まず“コンテンツポリシー上の拒否”か“年齢推定による保護設定”かを切り分ける
  • 設定画面で保護設定の有無を確認する導線を案内(Settings > Account など)
  • 成人ユーザーで誤判定の可能性がある場合、年齢確認(Persona)を案内する(ただし個人情報の扱い説明は公式表現に寄せる)

3) リスク運用:自傷・危険行為が絡む相談は“AI任せ”にしない

未成年保護の強化は、裏返すと「リスク領域の相談が増える」ことへの備えでもあります。OpenAIは保護設定に加え、保護者向けの管理機能(ペアレンタルコントロール)も整備しています。
自社が顧客向けチャットを提供している場合は、

  • 危険・自傷が絡む相談のエスカレーション(人間対応/窓口案内)
  • 利用規約・免責・ログ保全・通報フロー
    を最低限、用意しておくべきです。

まとめ:年齢推定は「未成年保護の自動化」。企業は運用で勝負

ChatGPTの年齢推定は、18歳未満と推定されたユーザーの体験を自動で安全側に寄せる仕組みです。
企業側は、出力の揺れと誤判定を前提に「プロンプト標準化」「一次対応テンプレ」「リスク時の人間系エスカレーション」を設計しておくと、現場コストと炎上リスクを同時に下げられます。

カンマンでは、生成AIの業務導入におけるガイドライン整備、プロンプト標準化、問い合わせ対応設計まで含めて支援できます。社内利用や顧客向けチャットの運用で詰まっている場合は、現状の運用フローを前提に改善案を出します。

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田中健介

Webディレクター兼エンジニア

田中健介

2023年に株式会社カンマンへ入社。
フロントエンジニアとしてサイト構築に携わった後、Webディレクターとして様々な案件に携わる。
また、専門学校の非常勤講師としても活動。