Claude Coworkに「プロジェクト機能」が追加された。これ、地味にヤバいやつです
公開日:2026年03月21日

代表取締役
貝出康

「AIって、結局その場限りの会話でしょ?」
私、ずっとこう思ってたんですよ。ChatGPTが出て、Claudeが出て、たしかに便利にはなった。でも毎回「さっきの続きなんだけど……」って説明し直すあの手間。あれ、地味にストレスじゃないですか。
で、2026年1月にAnthropicが「Cowork」を発表したとき、「おっ」と思った。Claude Codeの力をデスクトップ作業に持ち込むっていうコンセプト。エンジニアじゃない人でもAIエージェントを使えるようにする、と。
ただ、正直なところ最初は「ふーん、便利そうだけど、結局チャットの延長でしょ?」くらいの感覚でした。
でも今回追加された「プロジェクト機能」。これが、そのモヤモヤを一気に解決するやつだったんです。
そもそもClaude Coworkって何なの?
まず前提を整理させてください。
Claude Coworkは、2026年1月12日にAnthropicがリサーチプレビューとして公開した機能です。ざっくり言うと、Claude Codeのエージェント機能を、非エンジニアでも使えるようにしたもの。
Claude Codeって、ターミナルで動くCLIツールなんですよね。エンジニアにとっては最高なんですが、「ターミナル? 何それ怖い」って人には無縁の世界だった。
Coworkはそれをデスクトップアプリ(Claude Desktop)に統合して、ターミナルを開かずに使えるようにした。これがまず大きい。
Coworkの基本スペック
- Claude Desktopアプリ内で動作(macOS・Windows対応)
- ローカルのファイルを直接操作できる(読み取り・書き込み・削除)
- マルチステップのタスクを自律的に実行
- プラグイン・スキル・コネクタで拡張可能
- スケジュールタスクで定期実行もできる
VentureBeatの記事によると、Anthropicは「Claude Codeがプログラミングを変革した。次はCoworkがエンタープライズ全体を変える」と明言しています。
で、ここに「プロジェクト機能」が加わったわけです。
プロジェクト機能で何が変わるのか
「毎回リセット問題」の終焉
これまでのCoworkは、基本的にタスク単位の操作でした。「このファイルを分析して」「この表を整理して」みたいな単発の依頼を処理する。
でも現実の仕事って、単発じゃないですよね。
たとえば「新サービスのLP制作」というプロジェクトがあったとする。これには、
- ターゲットリサーチ
- 競合分析
- コピーライティング
- デザインブリーフ作成
- レビュー・修正
……と、何日にもわたる複数のタスクが含まれる。
今までは、タスクのたびに「このプロジェクトはこういう背景で、前回はここまで進んで……」と説明し直す必要があった。
プロジェクト機能は、この問題を根本から解決する。
プロジェクト=「文脈を持ったワークスペース」
プロジェクト機能の本質は、関連するタスクを1つのワークスペースにまとめ、ファイル・指示・メモリを永続化できることです。
Anthropicの公式ヘルプセンターの説明によると、プロジェクトには以下の要素が紐づきます。
- ファイル: ローカルフォルダと連携。プロジェクト内でClaudeが読み書きできる
- コンテキスト: プロジェクト固有の指示や前提条件
- インストラクション: 「このプロジェクトではこういうトーンで書いて」みたいなルール設定
- メモリ: プロジェクト内のタスク間で記憶が引き継がれる
つまり、一度セットアップすれば、次にそのプロジェクトを開いたとき、Claudeは前回の文脈を覚えている。これがデカい。
具体的にどう使うのか
セットアップは驚くほど簡単
プロジェクトの作り方は2パターンあります。
- 既存フォルダからインポート: ローカルにあるフォルダをワンクリックでプロジェクト化
- 新規作成: ゼロからプロジェクトを立ち上げる
既存のプロジェクトフォルダがある人は、そのままインポートするだけ。Claude Desktopの「Work in a Folder」チェックボックスをクリックして、フォルダを選択する。権限の確認ダイアログが出るので、読み取り・編集・削除の権限を設定。これだけです。
フォルダインストラクション
プロジェクトフォルダ内に指示ファイルを置くことで、プロジェクト固有のルールをClaudeに伝えることができます。
たとえば、
- 「このプロジェクトではですます調で書いてください」
- 「出力はすべてMarkdown形式で」
- 「引用は必ずURLを付けて」
みたいなルールを一度設定すれば、プロジェクト内のすべてのタスクに自動適用される。
これ、実務で使うとめちゃくちゃ便利なんですよ。毎回プロンプトに「ですます調で……」って書く必要がなくなる。
メモリ機能
プロジェクト内のメモリは、そのプロジェクトにスコープされているのがポイントです。
つまり、プロジェクトAで学んだことはプロジェクトBには持ち越されない。これ、一見不便に思えるかもしれないけど、実はすごく合理的なんです。
たとえば、クライアントAのプロジェクトで「ですます調」、クライアントBのプロジェクトで「だ・である調」を使っている場合、メモリが混ざったら大変でしょう。スコープが分かれているから、文脈が汚染されない。
スケジュールタスクとの連携
プロジェクト機能とスケジュールタスクを組み合わせると、定期的な作業の自動化が実現します。
たとえば、
- 毎週月曜に競合サイトの変更点をチェックしてレポート作成
- 毎日朝9時にプロジェクトの進捗サマリーを生成
- 月末に経費データを集計してレポート化
こういったルーティンワークを、プロジェクトの文脈を保ったまま自動実行できる。
なぜこれが「地味にヤバい」のか
理由1:AIが「記憶を持つ同僚」になる
これまでのAIは、言ってみれば「毎朝記憶をリセットされる新人バイト」でした。どんなに優秀でも、毎回説明し直さなきゃいけない。
プロジェクト機能によって、AIがプロジェクトの文脈を持ち続ける同僚になる。これは体験として全然違うんです。
「あのレポートの続きやって」で通じる。「前回のフィードバック踏まえて修正して」が機能する。
これ、人間の同僚と働いてるのとかなり近い感覚になります。
理由2:非エンジニアの業務効率が劇的に上がる
CybersecurityNewsの記事によると、Anthropicはプロジェクト機能を「ドラフトや提案を超えて、実際に完成した成果物を届ける」ことを目指して設計したと報じています。
つまり、マーケター、営業、人事、経理……あらゆる職種の人が、自分の業務プロジェクトをAIと一緒に進められるようになる。
たとえばマーケティング担当者なら、
- プロジェクト「Q2キャンペーン」を作成
- 市場調査 → コンテンツ企画 → コピー作成 → レビュー
この一連の流れを、同じプロジェクト内でClaudeと進められる。途中で「先週のリサーチ結果を踏まえて」と言えば、Claudeはちゃんとそれを参照してくれる。
理由3:エンタープライズでの活用が現実的になる
CNBCの報道によると、AnthropicはCoworkのエンタープライズ向け機能を大幅に拡充しています。
- 組織内のプライベートプラグインマーケットプレイス
- Google Drive、Gmail、DocuSignなどとの連携
- HR、デザイン、エンジニアリング、財務分析など業種別テンプレート
プロジェクト機能と組み合わせることで、チーム単位・部署単位での業務自動化が現実的になる。これはもう「便利ツール」じゃなくて、業務インフラのレベルです。
Dispatchとの組み合わせが未来すぎる
2026年3月にリサーチプレビューとして公開された「Dispatch」機能。これ、スマホからCoworkのセッションをリモート操作できるやつです。
プロジェクト機能 × Dispatch の組み合わせを想像してみてください。
- 外出先から「あのプロジェクトの資料、最新版にアップデートしておいて」
- 移動中に「競合分析レポート、先週のデータで更新して」
スマホからメッセージを送るだけで、デスクトップのCoworkがプロジェクトの文脈を理解した上で作業してくれる。
AQUAテックブログでも詳しく解説されていますが、Dispatchは単なるリモート操作ではなく、プロジェクトの文脈が保たれたまま非同期でAIに指示を出せるという点が革新的なんです。
これ、もはやSFの世界で見た「AIアシスタント」そのものじゃないですか。
他のAIツールとの比較
「でも、プロジェクト管理ならNotionAIとかCopilotとかあるじゃん」
はい、その通り。でもCoworkのプロジェクト機能は、決定的に違うポイントがあります。
ローカルファースト
Coworkのプロジェクトはローカルフォルダに紐づく。ファイルはあなたのPC上にある。クラウドに全部アップロードする必要がない。
これ、機密情報を扱う企業にとってはめちゃくちゃ重要です。「社外秘のデータをクラウドAIに渡すのは……」という懸念を、ローカル実行で解消できる。
エージェント型の実行能力
NotionAIやCopilotが「提案する」「ドラフトを書く」レベルなのに対し、Coworkは実際にファイルを作成・編集・削除できる。つまり、「分析して結果をExcelにまとめておいて」と言えば、本当にExcelファイルが出来上がる。
Tom’s Guideのレビューでも「チャットボットというより同僚のように感じる」と評されています。
プラグインによる無限の拡張性
2026年1月30日に追加されたプラグイン機能と、プロジェクト機能の組み合わせ。これがまた強い。
プロジェクトごとに使うプラグインを設定できるので、
- 営業プロジェクト → CRM連携プラグイン
- マーケティングプロジェクト → SEO分析プラグイン
- 経理プロジェクト → 会計ソフト連携プラグイン
みたいに、プロジェクトの用途に合わせてAIの能力をカスタマイズできる。
カンマンとしてどう見ているか
私たち株式会社カンマンは、Webマーケティングとクライアント支援を専門としています。で、この分野において、Coworkのプロジェクト機能はかなりインパクトがあると見ています。
クライアントワークとの相性が抜群
たとえば、クライアントAのWeb改善プロジェクトを進めるとき。
- プロジェクト「クライアントA_Web改善」を作成
- サイト分析 → 改善提案 → コンテンツ制作 → レポーティング
この一連の流れで、Claudeがクライアントの情報・過去の分析結果・ブランドガイドラインを記憶してくれる。担当者が変わっても、プロジェクトの文脈が引き継がれる。
中小企業のリソース不足を補える
中小企業って、マーケティング担当が1人とか、そもそも兼任とか、リソースが限られてることが多いんですよね。
プロジェクト機能を使えば、1人のマーケターが複数のプロジェクトをAIと協業で回せる。しかもプロジェクトごとに文脈が保たれるから、プロジェクト間で混乱しない。
これ、中小企業のマーケティング支援をしているカンマンとしては、クライアントに自信を持っておすすめできるツールになりつつあります。
AI活用支援の新しい形
カンマンでは、クライアントのAI活用支援も行っています。で、Coworkのプロジェクト機能は、「AIを業務に組み込む」ための最も現実的なステップの1つだと考えています。
なぜかというと、
- 学習コストが低い: ターミナル不要、GUIで操作できる
- 段階的に導入できる: まず1つのプロジェクトから試して、うまくいったら横展開
- 効果が見えやすい: プロジェクト単位で成果を測定しやすい
「AI導入したいけど、何から始めればいいかわからない」というクライアントに対して、「まずCoworkでプロジェクト1つ作ってみましょう」と提案できる。この具体性が強い。
注意点:ここは気をつけたい
もちろん、万能ではありません。いくつか注意点も挙げておきます。
メモリはプロジェクト内に限定される
プロジェクト間でメモリが共有されないのは、先述の通りメリットでもありますが、「全社的なナレッジをAIに持たせたい」という場合には制約になります。
セッションの共有ができない
現時点では、Coworkのセッションを他のメンバーと共有することはできません。チームでの協業という点では、まだ発展途上です。
ローカル実行前提
Coworkはデスクトップアプリで動くため、PCが起動している必要があります。Dispatch機能である程度カバーできますが、完全なクラウドネイティブではない点は留意が必要です。
料金
CoworkはClaude Pro(月額20ドル)またはMaxプランで利用できます。プロジェクト機能を本格的に使うなら、Maxプラン(月額100ドル〜)のほうがトークン上限的に安心です。
これからどうなるのか
私の予測を少し書きます。
チーム向けプロジェクト共有
現時点で共有ができないのは、おそらく早期に改善されるでしょう。チームでプロジェクトを共有し、複数人でAIと協業できるようになれば、プロジェクト管理ツール(Asana、Notion、Jiraなど)と真正面から競合する存在になります。
プロジェクトテンプレートの充実
エンタープライズ向けに業種別テンプレートが提供され始めていますが、これがさらに拡充されるはず。「採用プロジェクトテンプレート」「LP制作テンプレート」「四半期レポートテンプレート」など、プロジェクトの型が増えれば増えるほど、導入のハードルが下がります。
Microsoft 365との本格統合
VentureBeatの報道によると、MicrosoftがAnthropicと提携して「Copilot Cowork」を発表しています。M365アプリ全体でClaudeのエージェント機能が使えるようになれば、Word・Excel・PowerPointでの作業が根本的に変わる可能性があります。
まとめ:「プロジェクト」という単位でAIと働く時代
Claude Coworkのプロジェクト機能は、一見地味なアップデートに見えるかもしれません。
でも、本質は「AIとの協業の単位が、チャットからプロジェクトに変わった」ということなんです。
チャットベースの対話は「1回のやりとり」が単位。プロジェクトベースの協業は「仕事の一連の流れ」が単位。
この違いは、体験してみると想像以上に大きいです。
「AIは便利だけど、結局自分で全部管理しなきゃいけないでしょ」と思っている方。ぜひ一度、Coworkでプロジェクトを作ってみてください。
ファイルも、文脈も、記憶も、全部Claudeが持ってくれる。あなたは「次に何をやるか」だけ考えればいい。
それって、優秀な同僚と働いてるのと同じじゃないですか。
私はこれ、2026年のAI活用における最も実用的なアップデートの1つだと思っています。
やってみてください。きっと「戻れなくなる」から。
株式会社カンマン|カンマンの貝出
Webマーケティング × AI活用で、中小企業の成長を支援しています。
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代表取締役
貝出康
1963年徳島市生まれ。 1999年に楽天の三木谷社長の講演を聴き、イン ターネット時代の到来を悟る。翌年、ホームペ ージ制作会社カンマン設立に参画し、これまで のキャリアで培った営業や人事のスキルを活か しての顧客開拓や社内・労務管理を実践。2019 年〜代表取締役。









