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【2026年版】日本企業における生成AIリストラの実態と3つの生存戦略

松本佳久

生成AIコンサルタント/ブランドマネージャー

松本佳久

「2025年に120万人がAIに職を奪われる」——去年、私はこの記事を書きました。

結論から言うと、予測の方向性は当たった。

ただし起きた現象は違った。日本では「大量解雇」ではなく、「仕事の中身が静かに変わっている」が実態です。

この記事では、私が1年間毎日AIと仕事をしてきた実体験をもとに、2026年の現実と生存戦略を書きます。

※前回の記事はこちら:AIが予測!2025年の国内で生成AIに職を奪われる約120万人規模のリストラと共通点

2025年の予測を答え合わせする

海外では予測通りでした。

いずれも「AIによる効率化」が理由です。日本では大規模な「AIリストラ」は表面上起きていません。

雇用制度的に簡単に解雇できないからです。 ただし2025年8月時点で、早期退職を募集した企業は31社・対象者10,108人。

すでに前年の総数を上回るペースです(参考:東洋経済オンライン)

「AIリストラ」とは言わない。でも構造的な人員削減は進んでいます。

2026年、本当に起きていること

起きているのは「解雇」ではなく「業務負荷の質的変化」です。ある外資系コンサルの方のコメントが的を射ています。

「業務は楽になった。でも負荷は増えた。リサーチで頭を休ませる時間がAIに奪われて、”精査”と”決断”だけを繰り返し迫られる」(参考:ワンキャリア転職)

私もまったく同じです。 Claudeに提案書を書かせる。競合分析を出させる。メールを推敲させる。どれも数分で終わる。

でも「これ、本当にクライアントに送っていいか?」の判断は毎回自分です。 AIは「作業」を奪ったが、「判断」の回数を増やした。これが2026年の現実です。

新卒の50%が消失する

Anthropic CEOのダリオ・アモデイ氏は、1〜5年以内に新卒レベルのホワイトカラー職が半数消滅する可能性があると発言しています(参考:ビジネス+IT)

テック大手の新卒採用は2024年に前年比25%減。企業幹部の86%が「最終的に新卒レベルの職種をAIで代替する」と回答(参考:ビジネス+IT)

私が研修で訪問する徳島の企業でも、「新人に任せていた業務がAIでできてしまう」という声が出始めています。

データ入力、議事録、定型メール。

新人が覚えながらやっていた仕事を、AIが秒で片付ける。すると新人は「何をやって経験を積めばいいのか」がわからなくなる。 これは深刻な問題です。

2026年版・3つの生存戦略

前回の記事で「経験」と「責任」を挙げました。この軸は変わりません。

1年間AIと仕事をした結果、3つ目が加わり、それぞれもう少し具体的に言えるようになりました。

生存戦略1:経験

AIも間違えます。

私自身、クライアントの業種を伝え忘れただけで、Claudeが的外れな提案を返してきたことがあります。冒頭に「(企業の具体的で詳細な業務)」を入力するだけで防げたミスでした。

ここで学んだのは「AIの癖を理解して、自分がプロンプトを調整する」という考え方です。

正直、人間の方がよっぽど思い込みが多い。確証バイアス、記憶違い、過去の成功への固執。 2026年に必要な「経験」とは、業務を長くやってきたことではありません。

結論:AIと協働した上で正しい判断を下せる経験です。

AIを使ったことがない人の「経験10年」より、AIと1年間本気で協働した人の判断力の方が、すでに価値が高くなりつつあります。

生存戦略2:責任

前回「AIにやってもらったので私は悪くありません、は通じない」と書きました。

2026年はこれがさらに具体的になっています。 AIが出した提案書、AIが書いたメール、AIが分析した競合データ。これを「自分の名前で」クライアントに出すかどうか。その判断と責任を負うのは人間だけです。

私の実務でも、Claudeが出してきたメール文面に「間違えておいて”良いニュース”は能天気すぎないか?」と突っ込んで書き直したことがあります。 AIは文脈の微妙なニュアンスまでは汲めない。

結論:その最後の1センチを埋められるかどうかが、責任です。

生存戦略3:言語化する力(NEW)

これは去年にはなかった戦略です。

細かいマニュアルを100ページ渡さないと動けない社員と、方針だけ伝えれば自分で判断して動ける優秀な右腕。AIは後者です。 ただし、方針を言葉にできない人間の隣では、AIはただの作業マシンにしかならない。

私がClaudeとの実務で発見したのは、「自社は何を大事にしているか」「この場面ではどちらを優先するか」——こうした判断基準をたった5つ言語化しただけで、想定していなかった場面でもAIが一貫した判断で動けるようになったことです。

想定問答を100個書く必要はない。 

結論:自分の判断基準を言葉にできる人間だけが、AIを右腕にできる。

できない人間は、永遠にマニュアルを書き続ける側になる。 経験がないと判断できない。判断できないと責任を取れない。そして判断基準を言語化できて初めて、AIに仕事を委ねられる。この3つは積み重ねです。

地方の中小企業こそ、今動くべき

日本企業の生成AI導入率は3〜4割。効果を実感している企業は欧米の4分の1。AIエージェントの導入率は米国62%に対して日本は31%です(参考:JBpress)

この数字を見て「まだ大丈夫」と思うか「今動けば先行者になれる」と思うかで、2027年の景色は変わります。 地方の中小企業に大規模リストラは起きにくい。でもAIを使いこなす同業他社との生産性格差は、毎日広がっています。

私が研修で必ず伝えていること。「AIは怖くない。使わないまま放置するのが怖い」。

まとめ

2025年の予測「120万人のリストラ」は、日本では大量解雇という形では来なかった。

しかし仕事の中身は確実に変わっています。

2026年の生存戦略は3つ。 

経験:AIと協働した上で、正しい判断を下せる経験を積む 責任:AIの出力に「これでいく」と言える最終判断力を持つ 言語化する力:自分の判断基準を言葉にし、AIに委ねられる力を持つ 「AIに仕事を奪われる」時代は、もう来ている。

ただしそれは解雇ではなく、この3つを持たない人から、静かに仕事がなくなっていくという形で。

 株式会社カンマン AI事業部 松本佳久 

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松本佳久

生成AIコンサルタント/ブランドマネージャー

松本佳久

WEB制作会社カンマンにて10年間制作事業に従事後、ディレクターとして徳島県内を中心に200件以上のWEBプロジェクトを担当。
SEOによる集客や戦略策定、解析ツールを活用した改善、ブランディングに加え、2022年より生成AI技術の実践的活用を研究し、企業向け生成AI研修やセミナーを開催中。