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イーロン・マスクが放った衝撃!xAI『Grok3』の超高性能ディープサーチを試してみた

貝出康

代表取締役

貝出康

2025年2月24日

はじめに

こんにちは!カンマンの貝出です。最近、AI業界のニュースを追っていると、いつ寝ればいいのか分からないほど目まぐるしい動きがありますよね。その中でも特に話題をさらっているのが、イーロン・マスク率いるxAIが突如リリースした「Grok3」。私もこのニュースを聞いたときは、「あの短期間でよくここまで仕上げてきたな」と驚きました。

というのも、Grok3は誕生早々にAIベンチマークの上位をにぎわせ、既存モデルを驚かせるだけの実力を発揮したと報じられているからです。さらに噂されているのが、Grok3に搭載された「ディープサーチ(Deep Search)」機能。要するに「AIがウェブやXの広範な情報に自律的にアクセスし、まとめてくれる」仕組みなのですが、これを実際に使えるようにしたのがxAIの強みだといいます。

私自身、中小企業の経営者として、こうした“自動リサーチ”機能には大きな期待を寄せています。ただし、詳しく使ってみると感じることも多く、「競合AIと比べるとどの程度か」「コストに見合う効果があるのか」など、気になるポイントがいくつか見えてきました。そこで今回は、Grok3の料金や個人的な使用感も交えながら、ChatGPTやGoogle Gemini、Anthropic Claudeとの比較をしていきたいと思います。

なぜGrok3の料金改定が衝撃だったのか?

まずは率直な感想を一言。Grok3、なかなかお高い。 正確に言うと、最初に私が「プレミアムプラス」というサブスクリプションに加入した時は月額2,580円(2025年2月18日時点)だったのですが、その翌日にはなんと6,080円にまで引き上げられました。およそ2.3倍という大胆な値上げに「えっ、まじか」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。

私がたまたま初日に2,580円で契約できたのは運が良かったものの、翌月の更新でこのまま継続するかどうかは正直悩ましいところです。特にChatGPTや他社AIツールを既に契約している身からすると、新モデルの機能を探るために試しにサブスクするには少々ハードルの高いお値段。もちろん、イーロン・マスク氏の「今こそ最高性能のAIを提供する」という意気込みが実現していれば、月6,000円超も決して高くない投資に変わる可能性はあるのですが。

そんな思いを抱えつつ、私はとりあえずこの1か月ほどGrok3のディープサーチを実際に使い込んでみることにしました。結果として言えるのは、「確かに面白いし、Xとの連携は他にない特徴だけれど、現状ではChatGPTのほうがリサーチ機能は総合的に上かな」というのが正直な感想です。具体的には次の章から詳しく見ていきましょう。

なぜGrok3はX由来のトレンドを拾いやすいのか?

Grok3の大きな武器としてよく挙げられるのが、イーロン・マスク氏が運営するSNS「X(旧Twitter)」との連携です。ユーザーが質問すると、Grok3のディープサーチ機能はウェブサイトやニュース記事だけでなく、X内の投稿データへもアプローチしてくれます。これにより、Twitter的なリアルタイム感や“今まさに起きていること”をAIが拾い上げてくれるというわけです。

例えば、新商品の口コミをXで探りたいとか、有名インフルエンサーがどう言及しているかチェックしたいといった場面には魅力的。特に地方の中小企業などでは、人手不足でSNSのトレンドを追い切れないときに、Grok3が役立つかもしれません。私自身も、ある徳島ローカルの話題が全国的にどの程度広がっているのかを調べる際に試してみたところ、「ローカルメディアと一般ユーザーの反応を一括で取得・要約」するようなことをやってくれて、これは確かに便利だなと感じました。

ただし、Xは玉石混交で情報の信頼度にばらつきがあります。Grok3はAIの判断で重要そうな投稿やトピックをピックアップしてくれますが、「本当に正しい情報なのか?」までは人間が裏付ける必要がありそうです。さらに、Grok3はまだリリース間もないためか、たまに「このURLは何?」と首を傾げるようなリンクを引っ張ってくることもあって、現場での運用には注意が必要だと感じました。

なぜChatGPTはディープリサーチの定番なのか?

Grok3より先に“AIチャットで自動リサーチ”といえば、やはりChatGPTの「Deep Research」機能が有名です。私もこちらは長く使い込んでおり、論文やニュース、統計情報のような「公的・公式情報」を丹念に拾い上げてくれる点ではChatGPTが一日の長ありだと思っています。言い換えれば、専門性の高いテーマを深く掘り下げたいなら、ChatGPTのほうに軍配が上がる印象です。

具体的には、ChatGPTが数多くの検索クエリを生成し、それぞれ段階的にウェブページを読み込みながらレポートを組み立てていく動きが非常に緻密。学術論文やPDF資料、政府の公開データなどもしっかり押さえるため、経営戦略や商品開発などで「正確な根拠や実績がほしい」という場面に向いています。Grok3もX連携では面白い結果を出しますが、学術分野の網羅性や“裏取り”に関しては、やはりChatGPTが一日の長という感じがしました。

ただし、ChatGPTのディープリサーチモードは時間やコストがかかるのが難点。複雑な調査になると数十分待たされることもありますし、今の所Proプラン(月額200ドル)しか使えないこともあって、個人や小規模事業だとハードルが高いとも言えます。それでも総合力では、今のところ「やっぱりChatGPTが強いよな」と思わざるを得ないのが私の率直な感想です。

なぜGoogle Geminiは手軽な要点把握に強いのか?

Googleが開発する次世代AI「Gemini」の1.5Pro with ディープリサーチも、高性能ゆえに注目されています。Google検索の最新インデックスをフル活用しつつ、ユーザーがリサーチのプランに介入しやすい仕組みが特徴的。これにより、「あ、そういえばこの切り口でも調べたい」という場面でAI任せにするのではなく、人間が補足指示を出しやすいメリットがあります。

私も実際に試す機会がありましたが、“とりあえずWEB上の情報を網羅的にまとめたい”ときにGeminiはかなり使いやすいと感じました。何せ検索エンジンの覇者Googleのサービスですので、調査範囲は折り紙つきでありとあらゆるWEB上の情報を対象にします。こちらも調査内容によってはかなり時間がかかる場合もありますが、ChatGPTよりはもう少しコンパクトに要点をかいつまむ傾向があります。

ただ、Google検索の上位サイトに引きずられやすい部分はあり、「お宝のように埋もれた有益情報」までは拾い切れないかもしれません。とはいえ、中小企業が短時間で業界の概観を押さえるには十分役立ちますし、ChatGPTよりもやや安価で導入できる可能性がある(Google Oneとのセットプランなど)というのは魅力です。

なぜClaudeは大量ドキュメントの解析に重宝されるのか?

Anthropicの「Claude」もまた忘れてはいけません。こちらはChatGPTやGeminiのように“派手な外部検索”を頻繁に行うわけではありませんが、大容量テキストの安定処理に優れていることで評判です。「Deep Research」というよりも、どちらかというと「Deep Analysis」という立ち位置かもしれません。

何かドキュメントが山ほどあるとき、それをAIに一括で読み込ませて要約や論点整理をしてほしい場合にClaudeが威力を発揮します。大企業ほどではなくとも、中小企業でも契約書や仕様書、エクセルデータなどが大量にあって、それらをまとめるのに頭を抱えた経験がある方は多いのではないでしょうか。そんな場面でClaudeを利用すれば、ディープサーチのようにウェブを巡回するというより、手元の資料を短時間で要約し、ツッコミどころを指摘してくれるかもしれません。

ただし「最新情報をガンガン取り込んで解析したい」というニーズには、Grok3やChatGPT、Geminiのほうが向いている印象です。用途に応じてモデルを使い分けることが、これからのAI時代のベストプラクティスと言えそうですね。

なぜGrok3の値上げでも継続を悩む人が多いのか?

ここで少し、私が感じたGrok3の料金面のお話をもう少し深堀りしてみます。先述の通り、私は2月18日時点で月額2,580円という比較的リーズナブル(?)な価格でGrok3を契約できました。しかし翌日に約2.3倍となる6,080円に値上げされて、さすがに「これはキツい…」と驚きました。SNS上でも「値上げ幅が大きすぎる」「興味があったのに手が出しにくくなった」などの声が見受けられます。

Grok3の強みはSNS連携や理数系ベンチマークでの高スコアであり、そこにピンポイントで魅力を感じる方にとっては月6,000円を払う価値があるのかもしれません。実際、プログラミングタスクや数理解析をガシガシやりたいエンジニアや研究者なら、Grok3特有のアルゴリズムに惹かれる可能性は十分あると思います。ですが、私のようにChatGPTや他社AIサービスとの比較で「どこが一番リサーチ全般に優れるのか」を見極めたい立場からすると、まだGrok3は“専門特化”要素が強く、汎用的なリサーチではChatGPTにかなわない——と感じるのが正直なところです。

今後、Grok3がより安定して幻覚(誤った引用)を抑え、さらにX解析を洗練させれば、価格に見合ったリターンを提供できるようになるかもしれません。現時点では「SNS(X)+最新トレンド」派のニーズに合う一方、各種データを網羅的に深堀りするリサーチではChatGPTのほうが総合力で勝るかな、という印象ですね。私自身、翌月以降このまま継続するかどうかは悩んでいる最中です。

なぜディープサーチ比較が中小企業に役立つのか?

ここまでGrok3と競合AIたちのディープサーチ(あるいはそれに近い機能)を見てきました。結論から言うと、それぞれ得意分野が異なるので「これが絶対に最良」と断言するのは難しく、状況によって使い分けるのが賢明です。料金体系、速度、情報の深さ、SNS(X)連携、ドキュメント解析など——要件に応じてベストなモデルを選ぶのが理想でしょう。

ただ、中小企業にとって重要なのは「いかに少ないリソースで大きな成果を得るか」という点ではないでしょうか。調査に丸1日かける余裕がないなら、ディープサーチ機能を備えたAIに丸投げするのは非常に有効な戦略です。例えばGrok3ならXの声をガッと集めて短時間でトレンドを可視化でき、ChatGPTなら公的データや論文を集中的に調べ上げて厚みのあるレポートを仕上げられます。

経営者として考えると、情報を制する者がビジネスでの先手を取れる——これは古今東西変わらない真理です。AIが出す結果を丸呑みするのではなく、常に「本当に正しいのか?」と裏づけをとりつつ使いこなす姿勢が必要ですが、それはどのモデルでも同じこと。幻覚をゼロにするのは難しいかもしれませんが、逆に言えば人間の仕事として最後のチェックがあるからこそ、AIを責任ある形で活かすことができるわけです。

まとめ

最後に、今回のポイントを振り返ってみましょう。

  1. Grok3(xAI)
    • SNS「X」連携により、リアルタイムでトレンドや口コミを拾いやすい
    • 数理・プログラミング系のタスクで高評価を得たベンチマーク実績あり
    • 料金改定で月額6,080円になり、やや割高感。幻覚や引用ミスもまだ散見される
  2. ChatGPT(OpenAI)
    • Deep Research機能で膨大なウェブ情報を丹念に拾い、網羅的なレポート作成が可能
    • 学術・公的データの調査など、専門性の高い領域を深堀りするのに強み
    • Deep Researchは現在Proプラン限定でコストと時間がかかりがちだが、総合力は今のところトップクラス
  3. Google Gemini
    • Google検索を使い、短時間で広い範囲の最新情報をさばくのが得意
    • ディープサーチプランをユーザが編集できるため、漏れの少ない調査が可能
    • 深い専門リサーチよりは「要点をサッと押さえたい」用途向き
  4. Claude(Anthropic)
    • 大容量テキスト(契約書やレポート、PDFなど)の解析に強く、分析が安定している
    • 外部ウェブ検索よりも手元資料を整理する“Deep Analysis”で真価を発揮
    • 落ち着いた論理構成が好評で、幻覚も比較的少なめとの声あり

私の個人的な使用感をまとめると、Grok3は「SNSや最新トレンドに瞬発的にアクセスしたい」という目的に合致すると非常に便利です。特にXのデータをリアルタイムで解析したいなら選択肢として有力になります。ただ、それ以外の場面、例えば「学術論文を徹底的に調べる」「海外の公的データをまとめる」といった場合は、まだChatGPTのほうがリサーチの深さや安定性で勝る印象です。

一方、月額6,080円に値上げされたGrok3のプレミアムプラスを「このまま継続しようかどうしようか…」と迷っている方もいるのではないでしょうか。私もその一人です。将来的にGrok3が更なる飛躍を遂げ、SNS分析とオフィシャルな情報の両方で並み居るライバルを圧倒するようになれば、多少高額でも契約の価値は大いにあるでしょう。しかし現状では、「ChatGPT+他モデルを併用しつつ、Grok3はSNS解析時に補完的に使う」という使い方が現実的かもしれません。

どのモデルを選ぶにせよ、AIによるディープサーチや自動リサーチは、地方の企業にとって絶好のテコ入れ手段です。大手に比べリソースが限られていても、AIの力を借りて情報収集の負担を軽くし、そのぶんアイデア創出や新規事業の検討に時間を割けるようになるのは大きなメリット。「知らない」から「知っている」に変わることで、未来に向けた選択肢が格段に広がるはずです。これからのAIの進化にも注目しつつ、ぜひ皆さんも自社に最適なリサーチAIを模索してみてください。

追記

なんとGrok3が無料ユーザーにも開放されたとのこと!わざわざプレミアムプラスに課金したのは何だったんだ・・・(苦笑)もちろん回数制限とかはあるでしょうけど、使用頻度で言えば問題ない。プレミアムプラスユーザー向けに近々リリースされるという「高度な音声モード」も試してみたいけど、ChatGPTのアドバンスドボイスモードを超えるとは思えない。サブスク解約決定かな・・・。

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貝出康

代表取締役

貝出康

1963年徳島市生まれ。 1999年に楽天の三木谷社長の講演を聴き、イン ターネット時代の到来を悟る。翌年、ホームペ ージ制作会社カンマン設立に参画し、これまで のキャリアで培った営業や人事のスキルを活か しての顧客開拓や社内・労務管理を実践。2019 年〜代表取締役。