Geminiでスライド作成が自動化!爆速でプレゼン資料を生成する方法
公開日:2025年11月04日

Webディレクター兼エンジニア
田中健介

Gemini AIによる「スライド自動生成」とは?
私たちがこれまで「AI」と聞いてイメージしていたのは、ChatGPTに代表されるような「テキスト(文章)を生成するAI」でした。
「〇〇について教えて」と聞けば文章で答えてくれる。これは非常に便利ですが、それをプレゼン資料に落とし込むのは、結局人間の手作業でした。AIが生成したテキストをコピーし、PowerPointを開き、スライドの枚数を決め、デザインを選び、ペーストして…という作業です。
しかし、Gemini AIのスライド生成機能は根本的に異なります。
ユーザーが「〇〇についてのスライドを作成して」と指示(プロンプト)を出すだけで、Geminiは以下の全てを自動で一括生成します。
- スライドの構成案(アジェンダ)
- 各スライドのタイトルと本文テキスト
- スライド全体のデザイン(HTML/CSSによるレイアウト、配色、フォント)
つまり、AIが「スライド」という完成品そのものをコードとして出力するのです。
例えば、この記事の執筆者(Gemini)に「生成AIのセキュリティについてのスライドを作成してください」と依頼すると、数分もかからずに、デザインが適用されたHTMLベースのスライド一式が生成されます。




(※上記は、実際にGeminiが生成したスライドのイメージです。デザインやレイアウトが自動で適用されています)
この機能は、プレゼン資料作成の常識を覆すポテンシャルを秘めています。
なぜGemini AIは「爆速」なのか?スライド作成5つのメリット
では、Gemini AIを使うと、なぜこれほどまでに作業が「爆速」になるのでしょうか。従来のPowerPointやKeynoteでの作業と比較しながら、具体的なメリットを5つご紹介します。
1. ゼロから数分へ:圧倒的な時間短縮
最大のメリットは、言うまでもなく「スピード」です。
従来のスライド作成では、
- リサーチ(情報収集)
- 構成案(目次)の作成
- 各ページのテキストライティング
- デザインテンプレートの選定
- レイアウト調整
という多くの工程が必要でした。これらを人間がゼロから行えば、簡単な資料でも数時間、凝ったものであれば数日かかることも珍しくありません。
Gemini AIを使えば、この工程のほぼ全てをAIが一括で実行します。 ユーザーがやるべきことは「明確な指示出し」と、生成されたスライドの「最終確認・微調整」のみ。まさに「ゼロから数分」への時間革命です。
2. デザインセンス不要!美しいスライドが自動で完成
「内容は良いのに、スライドが素人っぽくて伝わらない…」 「デザインにこだわりたいけど、センスに自信がない…」
スライド作成のもう一つの大きな壁が「デザイン」です。
Gemini AIは、テキストだけでなく、モダンなWebデザインの原則に基づいた**CSS(カスケーディング・スタイル・シート)**も同時に生成します。
- 読みやすいフォントサイズ
- 統一感のある配色
- 見出しと本文のメリハリ
- 適切な余白(マージン・パディング)
これらが自動で適用されたスライドが完成するため、デザインセンスに自信がない人でも、プロフェッショナルな見た目の資料を瞬時に手に入れることができます。
3. アイデアの「壁打ち」と「具体化」が同時に
プレゼンの初期段階で、「テーマは決まっているが、どういう構成で話せば伝わるか分からない」と悩むことは多いものです。
Gemini AIは、優秀な「構成作家」でもあります。
「〇〇について、初心者に伝えるためのスライド構成案を考えて」と依頼すれば、まずは構成案をテキストで出してくれます。さらに、「その構成でスライドを作成して」と続ければ、即座にスライドという「形」に具体化してくれます。
アイデアの壁打ち(ブレインストーミング)と、その具体化(スライド化)をシームレスに行き来できるため、思考のスピードが格段に上がります。
4. ブラウザ完結型で「パワポ不要」の環境
Gemini AIのスライド生成は、Webブラウザ上で完結します。
高価なプレゼンテーションソフト(PowerPointなど)がインストールされていないPCでも、インターネット環境さえあれば誰でも利用可能です。
生成されるのはHTMLファイルなので、特定のソフトに依存せず、ブラウザでそのままプレゼンを行ったり、Webページとして共有したりすることも容易です。
5. HTML/CSSによる高いカスタマイズ性
生成されたスライドは、HTMLとCSSというWeb標準技術のコードで構成されています。
「もう少しここの色を変えたい」「この部分のフォントサイズだけ大きくしたい」
もしあなたがHTML/CSSの基本的な知識を持っていれば、生成されたコードを直接編集し、デザインを自由自在にカスタマイズできます。
AIが作った「80点の土台」を、人間の手で「120点」に仕上げる、というハイブリッドな使い方が可能なのも大きな強みです。
実践!Gemini AIでスライドを自動作成する具体的なステップ
では、実際にGemini AIにスライド作成を依頼する手順を見ていきましょう。非常にシンプルです。
ステップ1:Geminiに「スライド作成」を具体的に依頼する
まずはGeminiのチャット画面で、作成したいスライドのテーマや要件を伝えます。
ツール→Canvasを指定しておくのがポイントです。

(例) 「生成AIのセキュリティ」について、企業の経営層向けプレゼン資料をスライド10枚程度で作成してください。内容は「リスクの種類」「具体的な脅威」「企業が取るべき対策」を含めてください。
ステップ2:AIがコード(HTML/CSS)を生成する
指示を受けると、Geminiは数秒から数十秒ほど考えた後、スライドのHTMLファイルと、デザインを定義するCSSを(多くの場合インラインスタイルや<style>タグ内に)含んだコードを生成し始めます。
ステップ3:プレビューで確認し、修正指示を出す
Geminiの実行環境(Google AI Studioや連携するIDEなど)には、生成されたHTMLをプレビューする機能が備わっています。(※利用環境によります)
プレビューを見て、修正したい点があれば、さらにチャットで指示を出します。
(追加指示の例)
「対策」のスライドを、もっと具体的な3つのステップに分けて書き直して。全体の色合いを、青(コーポレートカラー)基調に変更して。最後のページに「ご清聴ありがとうございました」というスライドを追加して。
このように、AIと対話しながらスライドをブラッシュアップしていきます。
【最重要】爆速スライド生成のための「プロンプト術」
Gemini AIスライド作成のクオリティは、「プロンプト(指示文)」で9割決まります。AIは指示されたことしか実行できません。
悪いプロンプトの例 👎 「スライド作って」 (→ 何のテーマで、誰に、何を伝えたいのか不明瞭なため、AIは一般的な内容しか生成できません)
良いプロンプトの例 👍 「新入社員向けのオンボーディング資料として、『ビジネスマナーの基本』についてのスライドを作成してください。目的は社会人としての心構えを理解してもらうことです。構成は『1. なぜマナーが必要か』『2. 挨拶と身だしなみ』『3. 電話応対』『4. メール作成の基本』『5. まとめ』の5部構成でお願いします」
成功の鍵は「5W1H」を明確に伝えることです。
- Why(目的): なぜそのスライドが必要か?(例:新入社員に学んでもらうため)
- Who(対象者): 誰に見せるのか?(例:経営層向け、初心者向け、技術者向け)
- What(内容): 何を伝えたいか?(例:セキュリティリスクと対策)
- How Many(分量): スライドの枚数や構成案は?(例:10枚程度、5部構成で)
これらが明確であるほど、AIはあなたの意図を正確に汲み取り、手戻りの少ない高品質なスライドを「爆速」で生成してくれます。
従来のパワポ(PowerPoint)作業は不要になる?

では、Gemini AIの登場で、PowerPointのような従来のツールは一切不要になるのでしょうか?
結論から言えば、**「代替」ではなく「共存」**が現実的な答えです。
Gemini AIが得意なこと:
- スピード: 0→1のたたき台作成、構成案の可視化。
- Web親和性: Webでの共有、ブラウザでのプレゼン。
- テキストベースの資料: 論文発表や講義資料など。
PowerPointが得意なこと:
- デザインの厳密性: 1ピクセル単位でのオブジェクト配置、図形の細かい調整。
- アニメーション: 複雑なアニメーションや画面切り替え効果。
- オフライン環境: 印刷やオフラインでの確実な動作。
現時点での最強のワークフローは、**「Gemini AIで8割の土台を爆速で作り、最後の2割のこだわりをPowerPointで仕上げる」**というハイブリッド型でしょう。
まとめ:スライド作成の常識が変わる。今すぐGemini AIを試そう
Gemini AIによるスライド自動生成は、単なる「時短テクニック」ではありません。これは、私たちが「プレゼン資料」というものに費やしてきた膨大なリソース(時間・労力)を解放する「業務革命」の第一歩です。
スライドのデザインやレイアウト調整に悩む時間は、AIに任せましょう。 私たちが本当に使うべき時間は、**「何を伝えれば相手の心を動かせるか」を考えること、そして「自信を持ってデリバリー(発表)する」**ための練習時間のはずです。
もう、深夜のパワポ作業に追われる必要はありません。 まずは一度、Geminiにこう頼んでみてください。
「(あなたの次のプレゼンテーマ)について、スライドを作成して」と。
その爆速な仕上がりに、きっと驚くはずです。
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Webディレクター兼エンジニア
田中健介
2023年に株式会社カンマンへ入社。
フロントエンジニアとしてサイト構築に携わった後、Webディレクターとして様々な案件に携わる。
また、専門学校の非常勤講師としても活動。








