iPhoneでローカルAI(TinySwallow-1.5B)を使う方法と活用ガイド
代表取締役
貝出康
2025年2月13日

はじめに
TinySwallow-1.5Bとは?
こんにちは!カンマンの貝出です。TinySwallow-1.5Bは、日本のスタートアップ「Sakana AI」社が開発した、小型ながら高性能な日本語特化型AI言語モデルです。パラメーター数はわずか15億(1.5B)。大規模モデル(約320億パラメーター)から「TAID(大規模モデルからの知識蒸留)」と呼ばれる先端手法によって学習を行い、コンパクトでありながら高い日本語理解力と生成能力を備えています。しかもクラウドを使わずローカル環境で動作し、iPhoneのようなスマートフォン上でも動かせる軽量さが大きな特徴です。これは、スマホで安全にAIを活用したい方にとって画期的なポイントでしょう。
iPhoneで動かすメリット
なぜiPhoneにTinySwallow-1.5Bを導入するのが魅力的なのでしょうか? 一番の利点は携帯性と手軽さ。日常的に持ち歩くiPhone上で、いつでもどこでもAIアシスタントと対話できるのはとても便利です。通勤や移動の合間にアイデアを整理したり、文章作成の下書きを手伝ってもらったり、インターネット接続が不要なため山間部など電波の届きにくい場所でもストレスなく動かせるのです。
日本語特化モデルであるTinySwallow-1.5Bは、商品の説明文作成やメール文のドラフト、ちょっとした疑問の解決など幅広い用途に使えます。しかもクラウドサービスと違ってローカルで完結するため利用料不要。経費を気にせず存分に試せるのもメリットです。本記事では、その具体的な導入方法や設定のポイントを分かりやすく解説します。
なぜローカル環境でAIを動かすのか?
クラウドAIとの違い
ChatGPTのようにクラウド上で動くAIと比べると、ローカルAIは自分のデバイス上で完結する点が最大の違いです。インターネット経由で外部サーバーに送信・処理する必要がないため、データプライバシーが確保されやすいのが魅力です。
機密情報を守れる
クラウド型AIは入力内容が外部サーバーに送信・保管されるため、情報漏洩のリスクがゼロではありません。対してローカルAIは、すべてをiPhone内部で処理するため、機密情報が外に出る可能性は著しく低くなります。特に社内データや個人情報を扱う場合、ローカルAIは強力な選択肢となるでしょう。
オフラインで利用可能
また、ローカル環境で動作するAIはオフラインでも使えるため、ネットが不安定な場所でも応答を得られます。クラウドAIではサーバー障害が起きると使えなくなるリスクがありますが、ローカルAIならその心配がありません。昨今の企業では**ローカルLLM(ローカル大規模言語モデル)**に注目が集まっており、セキュリティやコスト面で恩恵が大きいと期待されています。
なぜTinySwallow-1.5BはiPhoneで使えるのか?
超小型(1.5Bパラメータ)モデル
一般的に、高性能AIモデルは数百億〜数千億単位のパラメーターを持ち、スマホで動かすのは難しいとされます。しかしTinySwallow-1.5Bは15億パラメーターと軽量でありながら、大規模モデルからの知識蒸留によって高精度を保っています。そのためスマートフォンの限られた計算リソースでも動作が可能です。
iPhoneの処理能力
近年のiPhoneはCPU/GPU性能、AI向けニューラルエンジンが非常に優秀で、Core MLなどのフレームワークにより機械学習を効率的に実行できます。Sakana AI社が公式に公開しているデモでは、iPhone 14上でTinySwallow-1.5Bが軽快に動作する様子が確認されています。
Core MLとONNX Runtime
iPhoneでAIを実行する場合は、Apple純正のCore MLや汎用エンジンのONNX Runtimeがよく利用されます。TinySwallow-1.5Bもこうした技術を活用し、スマホでの高速かつ省メモリな推論を実現しています。
導入ステップ:iPhoneで使うための手順
TinySwallow-1.5BをiPhoneで動かすには、いくつかのアプリやファイルを用意し、正しい順番でセットアップする必要があります。手順自体はシンプルなので、以下を参考にチャレンジしてみてください。
1. 必要ツールの準備
- LLMFarm(アプリ)
- iPhone上でローカルAIモデルを動かせる無料アプリ。App Storeで入手できます。
- オープンソースかつ追加課金なしで利用できるため、プライバシー面でも安心です。
- TinySwallow-1.5Bのモデルファイル
- Sakana AI社が公開している量子化済みモデルデータ(Q8またはQ5)をダウンロードします。
- Q8(8bit)版は精度が高めで、Q5(5bit)版は処理速度が速め。端末性能や用途に合わせて選びましょう。
2. アプリのインストール
- App Storeで「LLMFarm」を検索し、ダウンロード&インストール。
- インストール後、ホーム画面のアイコンからLLMFarmを起動します。
3. モデルファイルのダウンロード
- Hugging Faceの公開リポジトリ、またはSakana AI公式ページからTinySwallow-1.5BのQ8/Q5ファイルを取得。
- ファイルサイズが大きいのでWi-Fi推奨&iPhoneの空きストレージを事前に確認しておきましょう。
4. モデルをLLMFarmに読み込む
- LLMFarmを開き、画面右上の「+」ボタンをタップ。
- 「Basic」タブ → 「Model」欄 → 「Select model」 → 「import from file」を選択。
- ダウンロードしたTinySwallowモデルを指定。名前欄に「TinySwallow」など分かりやすい名前を入力。
- 「Settings template」から「ChatML」を選択すると、チャット形式でのやり取りがしやすくなります。
5. 必要に応じた追加設定
- Samplingパラメータの調整
Temperature
を0.7程度、Top_k
を20程度に設定するとバランスの良い出力が得られやすいです。
- システムプロンプトの設定
- システムプロンプト欄に以下のような文面を入れると、より自然なやり取りになります。
「あなたは、Sakana AI株式会社が開発したTinySwallowです。小型ながら、誠実で優秀なアシスタントです。
」
6. 設定内容を保存
最後に右上の「Save」をタップして完了です。新規チャットを開いて何か質問すれば、TinySwallow-1.5Bがローカルで応答してくれます。
iPhoneにインストールして動かしてみた
iPhone16 Pro でやってみましたが、かなりサクサクと動きます。完全に実用的に使えますね。
快適に使いこなすためのポイント
Q8版・Q5版の使い分け
- Q8版: 8bit精度なので回答品質が高め。ただしメモリ消費と動作速度はやや重くなる。
- Q5版: 5bit精度で高速かつ軽量。動作は速いが若干精度は落ちる可能性あり。
メモリへの配慮
- 大きなモデルを長時間動かすと熱くなったり、他アプリが落ちやすくなる場合があります。
- 不要なアプリを閉じる、定期的に本体を冷やすなど工夫すると安定性が向上します。
- 過去の長い会話履歴を引き継ぎすぎると動作が重くなることがあるため、必要に応じて新しいセッションに切り替えると良いでしょう。
生成パラメータやプロンプトの工夫
- Temperature: 低めにすると安定した回答、 高めにするとより創造的な回答が得られます。
- Top_k: 次の単語を選ぶ際の候補数。大きすぎると出力が散らばりやすくなり、小さすぎると単調に。
- プロンプト(指示文)の書き方: 「箇条書きで答えてください」「専門用語は使わないで説明してください」など具体的に指示すると、より的確な回答を得やすいです。
小型モデルならではの注意点
TinySwallow-1.5Bは「小さいけれど賢い」モデルですが、数百億規模のモデルほどの知識量はカバーできません。時には誤回答や曖昧な回答が出る場合もあるため、重要な案件は裏付けを取るなどのリカバリーが必要です。とはいえ日常の文章作成やアイデア出しには十分パワフルに機能するので、上手に使いこなしてみてください。
まとめ
TinySwallow-1.5Bは、ローカル環境でAIを動かす時代の先陣を切る存在です。iPhoneという身近なデバイスでも使えるほど軽量でありながら、日本語に特化し高い実用性を備えています。クラウド依存がなく、プライバシーを守りながらオフラインでも使えるのは大きなアドバンテージ。設定もシンプルですから、気軽に導入してみてはいかがでしょうか。
今後もスマートフォンの性能向上や最適化技術の進歩により、より大規模なモデルのローカル化も進むでしょう。TinySwallow-1.5Bは、その最先端を体感するのにうってつけのモデルです。ぜひ自分のiPhoneで実際に触ってみて、“手のひらAI”のパワーを実感してみてください。
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代表取締役
貝出康
1963年徳島市生まれ。 1999年に楽天の三木谷社長の講演を聴き、イン ターネット時代の到来を悟る。翌年、ホームペ ージ制作会社カンマン設立に参画し、これまで のキャリアで培った営業や人事のスキルを活か しての顧客開拓や社内・労務管理を実践。2019 年〜代表取締役。